パパ友の集まりはどのようにして生じるのか

 パパ友の集い参加3回目のAさん(39歳・男性)に話を聞くと

「大体仕事の話をしています。みんな異業種なんで、話を聞くだけでも楽しいです」

 とのことで、平和そうでありつつも、やはりそれなりに気遣いを要する会話をたしなんでいるようである。それもそのはずで、子持ち男性がいきなり集まって「さあ、お話ししましょう」となったら手始めに仕事の話をするのが無難だ。

 そもそもAさんがパパ友の集いに参加することになったいきさつは、妻からの要請があったからである。娘の友達の誕生日会にいつものママ6人が集まるのだが、ママたちの相談によって「いつもと趣向を変えて、それぞれパパを招集しましょう」となったという。

 令和の夫がいくら育児に積極的に参加しているといっても、実質はやはり妻の負担割合が大きい世帯の方が多いのが現状だ。そして、夫はそれに少なからず後ろめたさを感じているであろうし、育児が絡んだ妻からの要請には「はい」と言わざるを得ない弱みのようなものがある。かくして誕生日会当日、自分の役どころを把握しきっていない当惑のパパ5人(6人のうち1人は仕事で欠席)が集められることになった。
 
 会が始まって、パパたちは「居場所がなかったらどうしよう」という心配が杞憂であったことを知る。子どもたちは珍しくパパたちがいるということで大はしゃぎ、遊びの輪に自分のパパ、よそのパパたちを巻き込みたがった。

 筋力を使った激しい、ややもすれば危険な遊びといえばパパの十八番だ。パパたちは子どもに交じって、大変盛り上がった。

「どうだ楽しいだろう」「楽しい楽しい。もう一回!」「ヨーシ、これでどうだ」「今度は私の番!」「ヨーシ…ちょっと腕がプルプルして上がらなくなってきたかなパパ…」「もう一回もう一回!」「ちょっ…息が……苦し…」「もう一回もう一回!」という具合に…。
 
 やがて解放されたパパたちはダイニングテーブルを囲んで一息ついた。誰もが肩で息をしていたが、スポーツを終えたあとのような爽快感があった。お互い初対面だが戦友のような気分である。
 
 そこで今しがたのお互いの遊びぶりや、家で子どもとどのように遊んでいるかを話しているうちにその日は時間いっぱいとなった。パパ友の集い、1回目は無事に幕を閉じたわけである。