子どもは先を見通して
行動することができない
――親も昔は子どもだったわけですよね。「自分が子どもだったらどうしてほしいだろう?」と考えればわかることも多いなと、てぃ先生の本を読んで思いました。
てぃ先生 子どもと大人が決定的に違うところは、「先を見通せるか見通せないか」なんです。それは経験の差から生まれる違いなので、子どもは先を見通して行動することがまだできないんですね。
たとえば、子どものひじの近くにコップがあると、大人は「これ、絶対に落とすな」と予測して、安全な位置にコップを移動させることができます。なぜなら大人には経験と知識があるから、先回りできるんです。でも子どもは、ひじの横にコップがあっても、その後どうなるか想像できません。
お片づけも、習いごとも、勉強も同じです。自分がそれをやるとどうなるのか、子どもにはわかりません。大人が「お片づけするのは当たり前」と思っていても、子どもにはなぜ当たり前なのかわからない。大人が「子どもにスイミングを習わせて、泳げるようになればいざというとき役に立つし、楽しみも増える」と思っていても、ちゃんと伝えなければ、そんなことは子どもには全然わかりません。
親は「答えありき」で子どもにいろいろやらせますけど、子どもは「答えがわからないことをただやらされている」という状況になってしまいます。だから親が、「これをするとこうなるんだよ」と先の見通しを伝えて、ひとつひとつ子どもが納得して、興味を持つとうまくいきやすいんです。そのうえで、「泳げるようになったら、一緒にプールに行こうね!」と、親も楽しみにしていることを伝えると、子ども楽しく練習できるようになると思いますよ!(次回に続く)