【著者からのメッセージ】
もう「はやくして」と言わなくてOK!
すべてのママパパと子どもたちにハッピーを届けたい
こんにちは! てぃ先生です。
今年で12年目の現役保育士です。僕は、今をさかのぼること8年前に、Twitterを始めました。その当時は、「育児」「親」「子ども」といった話題が注目されるときは、必ずと言っていいほど、「虐待」とか「保育園が足りない」とか「お金がかかる」とか、そんなネガティブなことばかりでした(今もまだそうですが)。
僕はそれを見ていて、「このままだとみんな子どもが嫌いになっちゃうんじゃないかな、子育てしたくなくなっちゃうんじゃないかな……」と勝手に心配になり、子育てのいいところを伝えたいという気持ちから、保育中の子どもたちの、かわいくて楽しい日々のエピソードをつぶやくようになったのです。
そんなある日、ふとしたきっかけで「こういうときはこうするといいよ!」って、子育てアドバイスをつぶやいたことがあったんです。保育士なら当たり前に知っているようなことだったんですが、「へえ、知らなかった!」と、子育て中の親御さんたちから大きな反響をいただきました。
そこで、「ああ、僕たち保育士が当たり前にしていることでも、一般のママパパは知らないことがあるんだな」と思い、そこからは、子育てのハウツーもつぶやくようになりました。
今ではそのTwitterのフォロワーさんも50万人を超え、講演会で全国を訪ねるようにもなりました。去年始めたYouTubeのチャンネル登録者さんもどんどん増えてきて、子育てで困っている人の多さを実感しています。
この本は、そんな、保育のちょっとしたコツや、僕が保育士として子どもと関わるなかで試して効果が高かったことをつぶやいた、ツイートなどをもとにまとめた、子育ての困りごと解決法大全です。
この本では、あえて「何歳児向け」という表記はしていません。「自分の子どもに効果がありそう!」と思ったものは、どんどん試してみてください!
僕が紹介しているコツやハウツーに共通していることがひとつあります。それは「子どもが自分から動いてくれるようにする」ということ。
たとえば子どもが絵本の読み聞かせに集中してくれないとき、大人が「絵本、ちゃんと見なきゃダメでしょ!」って言ったりすることがあると思います。
でも、そう言われた子どもは絵本に集中するでしょうか? 答えはNOですよね。そもそも、その絵本がおもしろかったら、言って聞かせなくたって、子どもは自分から絵本に集中します。
ほかのことでも同じです。子どもに何かやってほしいことがあったら、子どもが「おもしろい!」と思ってくれるように、ちょっと工夫すればいいんです。
保護者のお悩み相談に僕がアドバイスしてうまくいった、という事例もあります。たとえば、「朝、おうちからなかなか出ない」というお悩みがあったら、自動改札機ごっこをしてみたり。ご飯を食べてくれないというときは、動物に変身できるスマホの写真アプリで撮ってあげて、「うさぎさん、これ食べられるかなー」って言うと、ふだんは嫌いなにんじんを食べてくれたり。
「え〜! そんなのやるのも考えるのもたいへん!」って思うママパパもいると思います。もちろん、いつもこうしなくちゃいけないわけじゃありません。余裕があるときだけで十分。それに、ちょっとめんどうだなと思っても、こうすることでかえって手間がかからずに、お子さんが動いてくれたりするのです。
子育てってたしかにたいへんなことが多いです。だから、困ったときにやってみることの引き出しが多ければ多いほどいいんです。困ったときに、「てぃ先生なんて言ってたかな?」って、「てぃ先生の引き出し」を開けて、そこからどんどん真似してくださったら、僕としてはとってもうれしいです。
僕には、今、夢があります。それは、「姿の見えない子どもも保育したい!」ということ。僕が直接会って保育できなくても、ママやパパが、僕のTwitterやYouTubeをヒントに対応してくださったら、それは間接的に「てぃ先生もこの子の先生!」って言えるんじゃないかなと思うんです。この本は、僕のその野望のひとつ。ぜひ、ときどき、てぃ先生を思い出してもらって、楽しく子育てしていただけたらうれしいです。