近年、メディアでたびたび取り上げられる「非認知能力」。これは、何かが起こったときに自分の頭で考えて行動できる「見えない学力」のことです。今後AIがどんどん進化していく時代では、成績や学力といった「見える学力」だけでなく、「見えない学力」を伸ばすことが求められていくでしょう。そこで今回は、木村泰子さんの著書『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』(青春出版社)から、「見えない学力」の大切さや親が心得ておくべきことについて解説します。
教育にあるのは「格差」ではなく「違い」
「見えない学力」って何でしょう?休校期間だった今年春の3カ月間で、子どもたちは学びたくても学べないという貴重な実体験を、大人とともにしたわけです。
もし私が教育の現場にいたら、休校期間中は毎日、子どもたちに、その日に自分が考えたことや思ったことを書きためさせたと思います。そして学校で会えた日に、「みんなはこの3カ月、何を考えてた?」と聞くでしょう。決して、「何してた?」ではなく。
子どもは一人一人家庭環境も違います。何をしていたかを問うことは、子ども同士の間に知らず知らずのうちに格差を持たせてしまうからです。