子どもの目線に合わせた
言葉かけを意識する
――仕事が忙しくて時間がないとか、精神的な余裕がなくて子どもの相手ができない、という親はどうすればいいでしょうか。
てぃ先生 親が時間的、精神的に余裕がないのに、子どもにやらせたいことだけ押しつけるのは、そもそも難しいように思います。本人がどうしてもやりたいことなら別ですよ。でも親がやらせたいことなら、親も一緒にがんばらないと。
それができないなら、そのタイミングでやらせるのはあきらめたほうがいいかもしれません。子どもがやりたくないのに、無理矢理やらせてもうまくいくことは少ないと思います。それでも、どうしてもやらせたいことがあるなら、子どもが楽しんでできるまでは、親がフォローしてあげること。そして本人がやりたいことも、思う存分やらせてあげたほうがいいです。
――親が楽しんでいる姿を見せること以外に、子どもがやる気になる方法はありますか。
てぃ先生 子どもがやったことを親が振り返って、がんばったところを認めたり、ほめたりすると、うれしくなってやる気になります。大人も同じですよね。「今日はどんなことしたの?」「そんなことができたんだ、がんばったね!」「次はあれもやってみると楽しいかもしれないね」と声をかけるだけで、「次もがんばってみようかな」と思えるものです。
僕は昼間保育士をしながら、夜は学童クラブで働いていた経験もあるので、小学生のお子さんたちの様子もよく見ていました。そのころも、子どもにいろんな習いごとをさせている親御さんが多かったんですが、子どもがやっていることに無関心な方が一定数いたんです。
子どもの報告を聞く親御さんは、いるんです。でも、親のほうから子どもがやっていることに興味を持って、一緒に楽しんでいるご家庭は多くはなかった。子どもが「今日はこんなことしたんだ!」と話しかけても、「ふーん」と右から左に聞き流されてしまったり、「いいから早くしなさい」と早く帰ることに意識が向いていたり。そういう親御さんもいました。
たったひと言でいいので、子どもの目線に合わせた言葉かけを意識すると、子どもの気持ちを理解できるようになっていくと思います。