Twitterフォロワー数50万人超、YouTubeチャンネル登録者数27万人超のカリスマ保育士・てぃ先生は、日々、子育てに悩む親たちにアドバイスを送り続けています。そのてぃ先生が厳選した子育てのスゴ技をまとめた『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』がベストセラーとなっています。
全4回連載の最終回では、「365日休みなしで育児をしているママパパは、やっぱりたいへん!」「でも子どものためにあれもこれもやらせたい!」と、何かとがんばり過ぎの子育て世代に向けて、子どもを幸せにするいちばん大切な条件について聞きました。子どもの幸せが親の幸せであることはもちろんですが、その前に、「親であるあなたは幸せだろうか?、そう自分の胸に問いかけながらぜひ読んでみてください。(取材・構成/樺山美夏、撮影/赤石仁)
自分の頭をやさしくヨシヨシって
なでてあげてください
――先日、まだ幼い姉妹を育てているママ友から、「子育ての悩みをダンナに話したら、『~すれば?』『やって欲しいことがあるなら言って』と言われ、泣きたくなった」という悩みを聞きました。彼女は、がんばっている自分にただ共感して欲しかったと話していました。てぃ先生も本の中で「ママが欲しいのは回答ではなく、共感」と伝えていて、本当にその通りだと思いました。
てぃ先生 子育ての悩みを相談されると、ほとんどの人は何かアドバイスしてあげようとしますよね。でも、本人は本人なりにすでにがんばっているんですよ。だから、ただ話を聞いてもらいたいし、共感してもらいたいだけなんです。
だからママが子育ての困りごとを話してきたら、周りの人は「そういうことがあったんだ。うーん、どうしようか」と、いったん受け止めてから悩み事を共有することが大事です。子どものお世話でママが大変そうだったら、「大変だったね。手伝えなくてごめんね」って言うだけでいい。でも忙しくて余裕がないときは、そこまで寄り添えないこともあると思います。
パパだって、自分にできることはやりたいと思っている人が多いです。でも今の日本社会だと、男性は育休をとることもままならないので、どうしてもママ中心の子育てになってしまいますよね。パパが子育てしたくても難しい環境があるわけですから、子育てに参加しない不満をパパだけに押しつけるのはかわいそうだし、そこは理解が必要だと思います。
ママたちが苦しんでいるのは、育児はもちろん、料理も洗濯も掃除も、365日休みなくやらなきゃいけないことです。平日家にいないパパの場合は、その大変さを親身にわかることは難しいと思います。ママはママで、パパたちが外でどんな大変な仕事をしていて、どんな人間関係で悩んでいるのか、そのストレスがどれほど大きいのかもわかりようがないです。
お互いの状況がわからないまま、「もっとこうして欲しい。ああして欲しい」と相手に要求すること自体、ハードルが高いとも思います。家族といえども“他人”ですから、考え方や価値観が違うのは当然ですよね。
関東の保育園に勤める男性保育士
保育士として勤務するかたわら、その専門性を活かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演は年間50回以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。
――相手に期待すればするほど、裏切られてガッカリするのは自分ですからね。
てぃ先生 そうそう。だから、期待しないほうがストレスはたまりません。それより、自分のがんばりをいちばんわかっているのは自分なので、自分で自分をほめてあげてほしいです。本にも書きましたけど、自分の頭をやさしくヨシヨシってなでてあげてください。自分でほめることができれば、いつでも100%自分をほめてもらうことができますから。