ビジョンとパーパスが起点

日置 時間を割いていることはほかにどのようなことがありますか?

青山 会社の中期計画をつくっているのですが、それとは別に、グローバルファイナンスチームの中計として5つの目標を立てています。

 入社直後からグローバルファイナンスのビジョンづくりに着手し、日本のファイナンスチーム主導でグローバルチームが目指すことを形式知にしました。これがメンバー一人ひとりの存在意義、パーパスにつながって初めて、グローバルファイナンスチームがワンチームとして機能すると考えています。

 次にコスト。何事もバランス重視でインパクトを出すコストプランを実行します。3つ目がガバナンス。内部監査チームの機能を変えたいと考えています。グローバル市場で戦うには、経営陣にも事業部門にも役立つ機能を併せ持つグローバル監査チームが必須です。

 4つ目が、キャッシュとROE。これは、頭でわかっているのにできていない。それにはIT統合が必須と、『ワールドクラスの経営』に書かれていることだらけですが(笑)。リアルタイムで答えられるように変革のステップを踏み始めたところです。

 最後はグローバル・シェアード・サービスによるコスト削減とガバナンスの強化なのですが、「青山さん、危ない案件です。そんなことをやったら失敗します」と言う人がいました。ありがたい進言ですが、やるからには徹底したいので、意欲的に取り組んでいます。かつて誰もやりたがらないポジションを取りにいったのと同じです。NECを強くするために誰かがやらなければならないことであれば、私はそれを実現します。自身の存在意義を日々実感しています。

日置 プロセスをお聞きすると、外資出身の青山さんを異端児と見るのでなく、貪欲に吸収して変革に意欲的な御社のスタッフの皆さんの柔軟性に可能性を感じます。

青山 みんな真面目です(笑)。もちろん能力も高い。腹を割って話すと、「これって本当にそうなの?」「これって違うんじゃない?」という着眼点が私と同じで驚くと同時に頼もしく感じています。ですから私はスピード強化を旗印にして、グローバルチームのメンバーが自発的に「NECグループの企業価値を最大化するためにはこれが必要だよね」という方向へ向かうように背中を押しています。

日置 ビジョンとパーパス、具体的な目標が揃いました。NECでいま青山さんがなさっていることは、昔見た光景をトレースして、NECらしさという改良を加えているのですね。

青山 コカ・コーラの4社統合では会社のグランドデザインから携わったのですが、正解がわからないからひたすら考えました。いま振り返ると、正しかった部分もあるし、違う方法があった、あるいはもう少しゆっくり進めたほうがよかったなど多くの学びがありました。いまも正解がないなかで、「これが最良の選択である」と意思決定していくことが前へ進む活力になっています。

日置 これからもNECのグローバル変革に注目していきます。NECでは数年前からコーポレート改革にも取り組み、CFOやCHROの役割、機能を強化してきました。日本を代表するワールドクラスとなることを期待しています。