スマートフォンなどIT業界をけん引してきた米アップルがモビリティ分野に参入する公算が大きくなったのだ。いわゆるアップルカーが実現すると、従来の自動車産業により衝撃をもたらすことになりそうだ。

 例えば、スマホで取り入れた設計と生産の水平分業モデル。アップルは、「iPhone」では設計に専念して生産は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の受託製造サービス(EMS)企業に任せている。

 EV参入でもこの方式でアップル自身は自動運転技術を含む全体の設計に注力し、生産は外部委託することになろう。

 そうなると、設計・開発から生産まで自動車メーカーが手掛け、部品をティア1・2・3・4から調達する従来の自動車産業の垂直統合モデルが大きく揺らぐことになる。

GAFAなどの
モビリティ産業進出は進むか

 アップルのほかにもソニーが自動運転EVのコンセプトカーで意欲をみせているし、中国の配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディ)やネット大手の百度(バイドゥ)などもこの水平分業でのモビリティ生産進出を狙う。

 かねてGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)の米IT大手のモビリティ産業進出の動きは問われていたことだが、ここへきてかなり具体的なものとなってきた。

 それだけに、完成車メーカー(OEM)、サプライヤーとくにメガサプライヤー、IT企業にハイテク企業などがそれぞれの立場から「新時代モビリティ」での勝ち残りを目指すことになり産業の地殻変動も起きそうだ。

(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)