ドコモの携帯料金新プラン「2980円」が絶妙といえる、戦略上の理由携帯料金大幅値下げはドコモのビジネスにどのくらい影響を与えるのか Photo:Diamond

昨年末、ドコモが発表した新プラン「ahamo(アハモ)」を皮切りに、ソフトバンク、KDDIの携帯電話大手3社は携帯料金の値下げに動いた。加えて、1月29日、楽天も新料金プランを発表した。この値下げは収益にどんな影響を与えるのか。今回はahamoに焦点を当て、「価格弾力性」の観点から解説する。(グロービス経営大学院 嶋田 毅)

ドコモの新プラン「2980円」は
どんな影響をもたらすのか

 2020年12月、NTTドコモは新料金プラン「ahamo(アハモ)」を21年3月より開始すると発表しました。さらに、ソフトバンクやKDDIも料金を引き下げたプランの提供を発表し、各社が値下げに動いています。動向が注目されていた楽天も29日、新料金プランを発表しました。

 今回は、一番初めに新料金プランを打ち出したNTTドコモのケースに焦点を絞って、料金プランの狙いや今後の展望について考えてみます。

 NTTドコモの新料金プランahamoの主な特徴は図1のようになります。

 同社の標準的な料金プランである「ギガライト」のサービスでは7GBの契約で5980円でしたから、やはり20GBで2980円という価格は目につきます。一方で、キャリアメールは使えない、家族割引には制限があるといった弱点もあります。
※例えば、家族内での通話が無料となるファミリー割引には申し込めるが、ahamoからの発信は有料となる。