ロビンフッド米ゲームストップ株が乱高下する中、フィンテック証券のロビンフッドが突如取引を停止したワケとは Photo:123RF

1万%以上も上昇した
ゲームストップ社の株価

 株式相場は本当に不思議だ。戦前、欧州外交に翻弄されて退陣した平沼首相の言葉を借りれば、「株式相場の天地は複雑怪奇」といったところか。新型コロナウィルスの世界的パンデミックで、国家財政も家計も大変な状況にあるなか、株式相場だけは活況を呈している。そんな株式相場で最近、ゲームストップ株をめぐって(またしても)複雑怪奇なことが起こった。

 ゲームストップ社は、テレビゲームの機器やソフトを売る実店舗「ゲームストップ」を北米中心に世界中に展開する小売企業。テキサスに本社を置き、ニューヨーク証券取引所に上場している。

 ゲームのハードやソフトの販売は、コロナ禍でアマゾンなどのオンライン経由の流れがますます加速しており、同社の業績は低迷を続け、株価も取引高も低調に推移していた。さらに、ヘッジファンドらは、コロナの影響が明らかとなる2020年期の決算の低迷を予見し、同社株式の空売りを仕掛けていた。

 ところが、このゲームストップ社の株価が突然高騰した。同社株価は1月28日に一時483ドルと、過去52週間の最安値(2.57ドル)から1万8694%も上昇したのだ。同日の終値は193.60ドルと、高値の483ドルから半値以下になったが、それでも最安値から7533%の上昇である。