しかし、その時点では帰省ラッシュはすでに始まっており、従って、厳密にいうと今年が本格的なコロナ騒動後、初めての春節となる。

 今年の春節は、明らかに過去とは大きく変わり果てたものとなるだろう。

 中国との仕事関係のある方だと誰でも経験していると思うが、大概、春節前後の1カ月はお休みムードで仕事にならない。ところが、今年はそんな気配がまったくない。むしろ、普段よりやりとりが多くなっているほどだ。

 ところが、今年はそんな気配がまったくない。むしろ、普段よりも仕事のやりとりが多くなっている。

「人の移動」は、もちろん激減するだろう。

 コロナの感染拡大を懸念し、各地の地元政府は「今年の春節は所在地で過ごすように」と呼び掛け、帰省をしない人には、政府が500元~1000元(8000円~1万6000円)の「お年玉」を支給したり、企業が特別ボーナスを与えたりする動きが活発になっている。

 また、感染リスクが高い地域から移動する人や、首都・北京に行く場合、7日以内にPCR検査した陰性証明と14日間の隔離が求められる。

大勢集まることが
好きな国民性だが…

 現在の状況について、複数の知人に聞いてみた。

 国有企業であり、有名な食品会社開発部門責任者の男性(40代)は次のように語った。

「今年は、特別な事情がある人を除き、ほとんどが上海に留まっている。会社からは奨励という意味をこめて、食用油や洗剤などの日用品を支給した。これまで大々的に行っていた『年会』(忘年会)もすべて中止した。プライベートでは、1年に1度開催している同窓会や友人の集まりもすべてキャンセルした。静かな春節になる」

 中でも、介護施設の経営者は、かなり気を使っているという。

「いつも春節の前に、入居者と家族を豪華なお食事会に招待していた。また、介護スタッフを慰労する社内の忘年会も絶対に欠かせないものだった。これらこそ、春節のシンボルだからだ。でも、今年はすべて開催を見送った。その代わりに、入居者さん2~3人で一つのテーブルを囲む食事会を早めに実施した。スタッフには多めの年末ボーナスを支給した。この1年間、施設の封鎖などでみんな本当にお疲れでしたからね」