こんな変化もあった。

 ある高齢の知人男性が次のように話した。

「普段は外食や旅行をした際の写真をウィーチャット(中国版ライン)にアップしたら、みんな『いいね』を押していた。ところが、春節を控え、しかも感染者が出ている今、同じような投稿があれば、以前と違って明らかにみんな冷たい反応をしている。『いいね』の数が少ないだけでなく、『気を付けたほうが良いよ』などと助言している。やっぱり意識が変わったのだ」

 あれだけ大勢でワイワイすることが大好きな国民なのに……。さらに、友人から送られてきた上海の外灘(バンド)や豫園(よえん)など観光スポットの動画を見て驚いた。いつも多くの人で賑わっているのに、今は人影もないのだ。

上海市が
絶賛されている理由

 1月中旬、上海の中心街にある数カ所の病院でPCR検査を受けた人から陽性者が出た。

 一時騒然となったが、すぐに病院を封鎖し、感染者の居住地域の住民たちをホテルに隔離するなどの対策が実施された。その後、多くのマスコミやSNSで、上海市政府の対応や市民の行動などに称賛の嵐が巻き起こった。

 上海市政府の行動が絶賛されているのには、もう一つ大きな理由がある。

 それは、上海市政府が「今後感染者が出た場合、その方については一切言及せず、その方の住む地域名のみを発表する。近隣住民に注意を払ってもらいたいからだ」と表明したからだ。

 日々のコロナ感染者状況を発表する際、中国のほとんどの地域で「感染者の名前」自体は伏せているが、年齢、性別、勤務先、健康状態など個人情報は丸出している。ゆえに、このプライバシーを重視した上海市政府の姿勢は人々の目に新鮮に映り、賛同されたのだ。

 また、上海市はほかの感染地と違って、感染者の周辺地域の住民だけにPCR検査を課している。