業務スーパー#7Photo by Rumi Souma

かつて倒産した会社が、業務スーパーのPBメーカーとしてよみがえった。「おとなの大盛カレー」「ぷち大福」などのヒット商品を生み出す宮城製粉だ。今回はこのPB工場に潜入取材。特集『「業務スーパー」の非常識経営』(全7回)の最終回では、業務スーパーの激安商品を実現する秘密に肉薄した。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)

破綻したスイーツ工場を“魔改造”
業務スーパーの主力PB工場に潜入

「こんなに長い餅のラインを持っている工場は、日本でもうちだけじゃないかな」

 湯気を立てる出来たての餅が、25mのベルトコンベヤーで運ばれていく。製造ラインの前で誇らしげに語るのは、神戸物産の子会社で宮城県角田市にある宮城製粉の後藤浩一社長だ。

 宮城製粉は業務スーパーで販売される「ぷち大福」や「おとなの大盛カレー」「チューロス」などのプライベートブランド(PB)商品の製造工場である。

 かつて同社は、2000年代半ばにコンビニスイーツで爆発的にヒットした「豆乳花」を製造していた。しかし豆乳花ブームの終焉で三つの工場の稼働率が低迷して重荷となり、09年10月に破綻してしまう。その後、スポンサーとなった神戸物産の下で再建を果たしたのだ(詳しくは本特集#4『業務スーパー激安PB商品の秘密、非常識な「不振工場の買収&再生」の極意』参照)。

 神戸物産は、宮城製粉の工場を業務スーパー専用に“魔改造”して再生させた。ダイヤモンド編集部は今回、宮城製粉の工場への潜入取材を許された。

 業務スーパーの激安PBの秘密と、工場再生のノウハウが詰まった魔改造ぶりを動画も交えながら解説しよう。