ホンダがトップ人事を発表
ホンダ(本田技研工業)は、三部(みべ)敏宏専務・本田技術研究所社長が社長に昇格するトップ人事を発表した。
ホンダのトップ交代は6年ぶりとなるが、異例なのは6月の株主総会を待たずに4月1日付けで三部専務が社長に就任することだ。かねて次期社長の「本命中の本命」と目されていた三部ホンダ新社長の登場は「ホンダ本流回帰」であるとともに、激動の自動車業界において、今後は「攻め」に転じるための経営姿勢・戦略の構築を急ぐことになりそうだ。
19日に都内で開いたホンダ社長交代会見で、三部専務は「激動の時代に存在感のあるホンダへ、外部の知見とアライアンス(提携)にチャレンジしていく。ホンダ全体が大きな転換とスピードが求められる」とホンダの新たな方向を力強く語った。
筆者は、2016年にホンダが「FCVクラリティフューエルセル」のリース販売開始発表会見を開いた際に、八郷社長とともに壇上に立った当時の三部執行役員が「ホンダの次のエース」だと聞いていた。
海外メガサプライヤーの日本法人トップからも「八郷さんの後の三部さんは外の人間の声もよく聞く人だ」との声もあり、2〜3年前から次のホンダトップを確信していた。
本田宗一郎創業社長から川島喜好2代目社長への交代以来、ホンダのトップ交代を見続けてきた筆者にとって、「ホンダらしさの復活」が期待できるトップ登場なのだ。