このリモデリングは相当まずい状況のようで、福永教授も次のように強調する。

「気道のリモデリングがあると喘息治療の主軸となる吸入ステロイドや気管支拡張薬の反応に乏しくなります。リモデリングは喘息の状態を放置すると進行してしまうので現在治療中、もしくは治療を中断している方はしっかりと気道炎症を治療し、発作を起こさないこと、発作の頻度を減らすことなど予防が大切です」

 また、喘息を悪化させる原因は、寒暖差や風邪、ストレスなど様々だが、花粉飛散が本格化するこれからの時期、横山教授はやはり、「花粉症」の症状に伴って喘息が悪化することを心配している。

 さらに、慢性の呼吸器疾患には、喘息と見分けがつきにくい「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」がある。こちらは喘息と違ってCOVID-19の大きな重症化因子になる上に、基礎疾患としての知名度が低いことから、喘息にも増して放置されてしまうことが懸念される。

 コロナ禍がはじまって2度目の春。喘息など基礎疾患を抱える患者にとっては、細心の注意を払いつつなんとか生き延びた1年だったのではないだろうか。ただもし、「細心の注意」に受診控えが入っているとしたら、大至急、方針転換が必要だ。

「喘息のコントロールに問題がなければCOVID-19を過度に恐れる必要はありません。しっかりと治療継続してください」(横山教授)

(監修/高知大学医学部呼吸器・アレルギー内科学教授、日本呼吸器学会理事長 横山彰仁、慶應義塾大学医学部呼吸器内科教授 福永興壱)