胃食道逆流症で食道がんや喉頭がんのリスクが増加か
慢性的な胸焼けが続く胃食道逆流症(GERD)を抱える患者では、食道がんや喉頭がんのリスクが高まる可能性が、米国立がん研究所(NCI)のChristian Abnet氏らによる大規模研究で示唆された。50歳以上の米国人約49万人のデータを分析した結果、GERD患者ではGERDのない人と比べて、喉頭がんまたは食道がんを発症するリスクが約2倍高かったという。この研究結果は、「Cancer」に2月22日発表された。
GERDは慢性的に胃酸が食道に逆流する疾患で、主な症状は胸焼けである。米国立衛生研究所(NIH)によると、GERDは極めて高頻度に生じる疾患で、米国人の有病率は20%と推定されている。これまでの研究結果から、GERDは食道腺がんのリスク因子とされている。食道腺がんは、米国では食道に発生する腫瘍の中で最も多いタイプのがんである。
Abnet氏らは今回、NIH AARP Diet and Health Studyの参加者である49万605人の米国人のデータを分析した。研究開始時の参加者の年齢は50~71歳で、約4分の1(23.7%)がGERDに苦しんでいた。