トヨタでは、業務カイゼンの推進は
各階層のライン系業務マネジャーの役割

 ここで、企業として明確にしなければならないことは、マネジャーの自律的な判断力を育てるマネジメント体制ができているかということ。

 そして、決め事、仕事の進め方、ルールの「カイゼン」や進化を、社内の誰が推進するのかが明確かという2点です。

 この業務の「カイゼン」の推進については、米国式の組織運営に沿って考えれば、これは事業の全体最適を推進する業務システム改善推進室などの部署を設けて、社長直轄、あるいは事業責任者の直轄組織で推進します。

 このやり方をとっているのは、ニトリです。

 業務フローのカイゼン推進は、社長直轄の部門として、様々な業務システムの進化、カイゼンに取り組んでいます。

 特に、大きな家具を扱うニトリの場合は、物流システムの巧拙で、人件費と物流費が大きく変化し、収益にも大きな差がでてしまいます。誰よりも目指すべきものと情報の流し方のイメージが、トップの頭に描けている時に行える体制です。

 一方、トヨタを見ると、業務カイゼンの推進は各階層のライン系業務のマネジャーの必須の役割になっています。トヨタにおいてはカイゼン活動が、全社的に社員皆で常に行われるべきものという文化になっています。

 このような会社ではPDCAのAは、業務手順の改善として定着しています。