悩んでいる時間が一番もったいない
澤:とりあえず、やってみよう。どうしようかな、と悩んでいる時間が、実は一番ムダなんです。なぜ迷うかというと、失敗したくないからです。失敗したくない心理って、人間の生存本能としては自然なんだけれど、キャリアで失敗したからといって、死にはしない。何も崖から飛び降りるかどうかを決めているわけではないんだから。
だから、まずやってみてから考える。その順序で全然構わないと僕は思うんですよ。
川原:わかります。僕も『Be Yourself』を出してから、いろいろな人から相談を受けるようになり、「迷いながら動けない人」があまりにも多いことに驚く日々です。相談には、「どっちを選んだって大差ない。とにかくやってみたらいい」と繰り返しています。
澤:そうそう。成功して楽しそうに生きている人たちに対して「あなただからできるんでしょう?」と斜めに見る前に、「自分は果たして行動したか?」と自分自身に聞いてみるといいですよね。
答えが「やってみたけれど、うまくいかなかった」というものだったとしても、「じゃあ、未来永劫、何をやってもうまくいかないことが保証されているのか? そんなことはない。じゃあ、うまくいくまでやってみようぜ」と考えてほしい。
この話は研究者の山口周さんとも意気投合したんですけれど、その時に周さんが例えに出した「アフリカの雨乞いの話」が大好きで。アフリカの雨乞いは成功率100%なんですって。なぜなら、雨が降るまで続けるから(笑)。
川原:最高ですね。1回で成功しなくてもいいじゃん、と。
澤:そう。「何日以内」というルールを削除しちゃえばいいんです。ルールさえ変えれば、「失敗」が「成功」に変わるケースなんてたくさんあります。(ビズリーチなどを運営するビジョナルホールディングス代表の)南壮一郎さんは、「僕は、おみくじで大吉しか引かない」とよく言うんです。でも、それはなんということはない。彼は大吉が出るまで引き続けているだけなんですよ(笑)。
川原:「いつまでに」というルールを撤廃するだけで、成功確率は上がるということですよね。これは応用したくなりますね。
(対談中編は2021年4月9日公開予定)