これらは、言うまでもなく感染拡大している地域からの訪問者や感染した人を遠ざけたい気持ちから起きたものである。人は誰でも未知のものや目に見えない恐怖に対しては強い不安を感じる。したがってこうした行動に出ることは決して好ましいことではないものの、その行動の背景にある気持ちは理解できないことではない。

コロナ後遺症の一部に「うつ」
回復後の精神的なダメージが原因か

 ところが、最近テレビの番組を見ていて「コロナ後遺症」の中の一つに精神的なダメージを訴える人が多いという話があった。コロナ感染後、入院なり自宅療養なりで完全に回復したにもかかわらず、その後出社すると周りから冷たい目で見られたり、「近寄らないでほしい」と言われたりといった差別を受けることから精神的に参ってしまい、「うつ」になったというケースである。

 これはかなり理不尽な話だ。前述のように現在罹患(りかん)している人を遠ざけたいというのは理解できないことではない。誰しも自分が感染を避けたいと思うのは当然だからだ。ところが完全に回復し、検査をしても陰性で、人に感染させる可能性はないし、自分自身も一度感染して回復したことで、再び感染するリスクはかなり低くなっている。言わば状況的には最も安全な人のはずである。にもかかわらず、なぜそういった差別を受けてしまうのか。