精神科医の古賀良彦氏精神科医の古賀良彦氏

「女性の冷え性は体質やホルモンが関係していますが、男性の冷え性の主な原因は『運動不足』『肥満』『ストレス』の三つ。手先や足先など“末梢部位”が冷えるのが特徴ですね」

 一つ目の「運動不足」は言わずもがな。コロナ禍の自粛中、自宅で長い時間を過ごすうちに運動量が減ったという人も多いだろう。その結果、筋肉量が低下してしまい全身が血行不良になっているという。

「筋肉には血液を全身に送るポンプの役割があり、血行をよくしてくれます。しかし、筋肉が落ちるとその分末端の足先や手先に血が行き渡りにくくなってしまうんです。これまでは出勤するだけでも軽い運動になっていましたが、リモートワークに切り替わってからほとんど運動をしなくなった人は要注意ですね」

 二つ目の原因は「肥満」だ。産業医として働く人々と接している古賀氏の元には「リモートワークになってから太った」と相談に来る中高年男性が増えているという。

「揚げ物などの肥満を招く高脂質な食事は、メタボリックシンドロームのリスクを上げて、血液もドロドロにします。ドロドロの血液は循環が悪く、皮膚の血液の流れが低下するので手先や足先が冷えるんです。一見、太っている人は温かそうに見えますが、体が大きくなった分、冷たい空気に触れる範囲も広がっています。太っている人が冷えに悩んでいるケースも多いんです」