東京女子御三家「桜蔭」が、創立100周年に向けて取り組むことグラウンドなど運動のためのスペースが満足に確保できない都心の学校だけに、屋内温水プールができたことの意味は大きかった 写真提供/桜蔭学園

高2まではクラブ活動が必修

 桜蔭の学校案内を見ると、クラブ活動で文化系は充実しているものの、体育系は屋内で活動が可能なバレーボール、バスケットボール、卓球、ダンス、水泳、リズム水泳の5種類に限られている。都心の学校ならではの悩み、校地の狭さ(約2000坪)が背景にある。体育系は活動回数によって、I(週1回)、II(週複数回)に分けられている。ここにも勉強熱心な桜蔭らしさが出ている。

――女子校でプールのある学校は少ない。ましてや温水プールのある学校はさらに珍しいですね。

齊藤 東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)では入試でも体育の実技が必須でした。本校の設立2年目には有志を千葉県の海に連れていったという記録が残っています。そんなこともあり、夏には千葉県で臨海学校をやっていました。しかし、これは大変な行事でした。そこで5号館を建てるとき、建築費用もかかるし管理維持費も必要となりますが、屋内温水プールを設けたのです。

――体育系のクラブ活動は数少ないようですが、桜蔭にはプールを生かしたリズム水泳部もありますね。

齊藤 はい。ひばりが丘(東京都西東京市)に運動場はあるのですが、本校内にグラウンドを確保できないため、陸上やサッカー、テニスなどは難しいということもあります。高2までクラブ活動は必修で、“帰宅部”はありません。ただ、下校時間は17時なので、遅くまで学校に残ることもありません。

――生徒会が活発な印象があります。

齊藤 例年ですと小学生の方にもたくさん来て見ていただく文化祭が昨年は外部非公開でオンラインでの展示発表と学校での動画発表となりました。小学生に見てもらえる機会が提供できなかったということで、高校生徒会の生徒たちが自分たちで初めて学校案内を作成しました。センスが素晴らしいと思いました。

 クラブ紹介にしても行事案内にしても、学校が作るものとは異なる生徒目線で、分かりやすいものを作ってくれました。学校から要請したわけでもなく、自発的に意欲的に自分たちの学校の良いところを伝えたいと取り組んでくれたことがうれしいです。