いよいよキャッシュ改善術を具体的に解説!キャッシュ重視の経営を掲げる企業が増えている昨今、管理職にとってキャッシュの重要性の理解と改善術は必須のスキルだ。今回もダイヤモンド・オンラインでの連載や会計の著書を多数執筆する矢部謙介・中京大学教授が易しく解説。特集『課長は理解必須!キャッシュフロー・マネジメント術』(全6回)の#5では、二つのポイントに絞った分かりやすい「管理職のためのキャッシュ改善術」を伝授する。
トヨタのすごさが分かる!
キャッシュ改善術の要諦
ここまでは、なぜ利益とキャッシュは一致しないのか、いかにキャッシュ管理が大事かを説明してきました。今回はキャッシュ・フローを増やすためにはどうするべきかを解説します。
損益計算書(P/L)上は黒字なのに倒産してしまった具体的事例を本特集#4『黒字倒産を「商社&不動産」上場2社の実例で解説!資金繰りが破綻した理由』で紹介しました。そのように資金繰りに行き詰まって会社経営が追い込まれることのないようにするためには、キャッシュ・フローをできるだけ増やす必要があります。
課長以上の管理職や、管理職になりたいと思っている人なら、今回お伝えする「キャッシュ・フローを正しく増やすための二つのポイント」は理解必須といえるでしょう。
この二つのポイントを押さえれば、トヨタ自動車のジャストインタイムの本当のすごさが分かります。そして、あなたが上司から「在庫を減らせ」と口うるさく言われる理由も理解できるでしょう。