キャッシュフロー・マネジメント術#3
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実際のビジネスでは利益とキャッシュは基本的には一致しない。それはなぜか。減価償却費と棚卸資産が影響しているからだ。財務が苦手な人にとって難しい単語のように思えるかもしれないが、今回もダイヤモンド・オンラインでの連載や会計の著書を多数執筆する矢部謙介・中京大学教授が易しく解説。特集『課長は理解必須!キャッシュフロー・マネジメント術』(全6回)の#3では、管理職なら絶対に押さえるべき「減価償却費」「棚卸資産」「売上債権」「仕入債務」とキャッシュの関係を伝授。

利益とキャッシュは
基本的に一致しない

 最初に大事なことをお伝えします。「実際のビジネスでは利益とキャッシュ・フローは基本的には一致しない」。このことを覚えておいてください。本特集#2『メーカー特有「作るほど儲かる」の罠、課長&部長に必須のキャッシュ管理術』でも少し説明しましたが、損益を計算する際に使われる費用と売上高(収益)が、現金が動くのと同じタイミングで計上さているわけではないからです。

 この点を理解していないと、本特集#4『黒字倒産を「商社&不動産」上場2社の実例で解説!資金繰りが破綻した理由』で紹介する黒字倒産のような怖い結果を招くこともあるでしょう。あるいは、黒字倒産にまで至らなくても、昨今はキャッシュ重視の経営を掲げる企業も多いので、管理職の方や管理職を目指す方は、知っておかないと恥をかくかもしれません。

 利益とキャッシュ・フローはなぜ一致しないのかについて、減価償却費と棚卸資産、売上債権、仕入債務にフォーカスして、さらに詳しく説明していきましょう。