【きんざい特別転載】洋上風力発電への期待と課題
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技術革新への期待の高まり

 脱炭素の社会的要請を追い風に、洋上風力発電への期待が高まっている。2050年までにカーボンニュートラルを実現する方針の下、日本政府が定めた「グリーン成長戦略」において、洋上風力発電の導入容量を30年までに10ギガワット、40年までに30~45ギガワットまで拡大する目標が掲げられた。再生可能エネルギー(再エネ)主力電源化に向けた切り札である。

 風の力で風車を回転させ、その動力を電気エネルギーに変換する風力発電は、再エネの中でも発電効率が比較的高い。太陽光発電とは異なり、風さえ吹けば昼夜問わず発電できる。また、大規模に発電することで発電コストを抑えられることから、経済性に優れたエネルギー源とされている。日本における風力発電は、00年代より陸上風力発電を中心に導入拡大が図られてきた。だが、適地が限定されることや、開発事業による環境への影響を事前に調査する手続きに長期間を要することなどから導入量は限定的で、19年度時点の総発電量に占める風力発電の割合は0.7%にとどまる。

 こうした中で注目されているのが、洋上風力発電である。海域に風力発電の設備を設置して発電するため、陸上と比べて立地の制約を受けにくいことに加え、大きな風を安定的に得ることができる。