昨季J1王者・川崎フロンターレが「会計上も最強」といえるワケJリーグチームをP/Lで比較すると…? Photo:JIJI

今回は、「損益計算書(P/L)」の読み解き方を解説する。理解を深めるために、Jリーグチームを例に見ていこう。営業収益(売上高に相当)がJリーグの中で最も大きい3チーム(川崎フロンターレ、浦和レッズ、ヴィッセル神戸)に焦点を当てる。各チームのP/Lから見えてくる、ビジネスモデルの違いとは?(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)

損益計算書(P/L)から
企業の利益構造が読み取れる

 今回は、財務三表の二つ目として損益計算書(P/L)を取り上げ、Jリーグチームのビジネスモデルを明らかにしよう。それにあたって、まずはP/Lの基本構造を理解しておきたい。

 P/Lを作成する目的は、1年間の取引を通じた収益から費用を差し引いた利益を計算することにある。P/Lに関しても、前回取り上げた貸借対照表(B/S)と同様に、図解して読むと理解しやすい。

 P/Lを図解する際には、収益項目(売上高、営業外収益、特別利益)を右側に、費用項目(売上原価、販売費及び一般管理費〔販管費〕、営業外費用、特別損失)を左側に表示する。そして、「収益-費用」がプラスならば当期純利益の金額を左側に、マイナスならば当期純損失の金額を右側に表示する。

 営業外収益・費用、特別利益・損失の金額が大きくないのであれば、上図の矢印の右側に図示したように、営業利益までを図解するとシンプルになり、分かりやすい。この図解の右側には、収益の代表的な項目である、商品や製品、サービスを販売したことによる「売上高」が表示される。左側に表示されるのは、商品や原材料の仕入れ、製品製造にかかった費用の「売上原価」と、売上原価以外に本業で必要となった費用である「販管費」、そして「売上高-売上原価-販管費」で計算される「営業利益」だ(「営業損失」の場合は右側に表示する)。

 この営業利益はその会社が本業で稼いだ利益だから、ここまでのP/Lの構造を理解しておけば、その会社の本業での利益構造を読み取ることができるというわけだ。

 それでは、P/Lの構造を頭に入れた上で、JリーグチームのP/Lからそれぞれのビジネスモデルを読み解いていこう。