「Ray」は1988年創刊の女性誌で、90年代には「JJ」や「CanCam」などとともに、赤文字系雑誌(※)として人気を誇った。モデルの香里奈や元乃木坂46メンバー・白石麻衣が専属モデルを務めていたこともある。

※赤文字系雑誌…コンサバファッションを好む大人系の女性が読む雑誌の総称。題字が赤文字であることから。逆に青文字系雑誌は「Zipper」「CUTiE」など、原宿系ファッションを好む女性が手に取った。

 そんな人気女性誌だった「Ray」だが、2021年4月に主婦の友社からITベンチャーのDonutsに事業譲渡されている。

 リリースによれば、「雑誌及び関連する書籍・ムック等の編集、Ray関連事業は株式会社Donutsが行います」とある。発行元が変わった直後の炎上だったのだ。

 女性誌は、専属モデルや読者モデルの誌面やイベントでの発信を通じて読者との相互コミュニケーションを図ってきたメディアといえる。編集部と読者の信頼関係で成り立ってきた土壌があるからこそ、「得体の知れないweb媒体」にしか載っていないような指南術が掲載されたことに違和感を持つ人が多かったのではないか。

軽いノリでパパ活を推奨する「男らしさ」

 また、筆者は数年前にパパ活をする女性たちを取材し、短期間ながら彼女たちの調査を行ったことがある。

 数年前のことなので、現在は多少事情が違うかもしれないが、積極的にパパ活を行うような女性たちは、すでに自分たちに必要な情報を独自のネットワークで仕入れている。また、特定のキーワードを使って検索すれば、リアルな情報はいくらでも手に入る。わざわざ、「男性は『初めて』という言葉に弱い生き物」というような、目新しくもない「ノウハウ」を参考にするだろうか。

「Ray」のコラムでは、すでにパパ活をしている女性ではなく、パパ活初心者向けの情報としたのかもしれない。しかし、批判者たちが指摘した通り、まるで誰でもパパ活ができるかのような気楽なノリで推奨されてよいものかといえば、それはやはり違うだろう。