iDeCoの枠が大きい

 個人型確定拠出年金(iDeCo)は、もともと厚生年金のない自営業者が自主的に老後資金を用意するための制度だったので、今でも自営業者はサラリーマンより掛け金の上限金額が高くなっている。

 iDeCoは掛け金が所得控除になり、運用益が非課税になり、受取時にも税制上の優遇が受けられるので、これを利用しない手はない。毎月6万8000円が上限金額なので、満額使い続ければ、夫婦2人で40年間で6500万円ほど貯められる計算だ。もちろん、資金がなければ枠を使い切る必要はない。

 iDeCoに関しては、注意点などもあるので、拙稿を併せてご参照いただければ幸いである。

 自営業者には国民年金基金という制度も用意されている。これは、iDeCoとの合計で上限金額が定められているので、どちらを使うかは慎重な検討が必要だろう。

 国民年金基金のメリットとしては、受け取り方法に終身年金が選べることが挙げられる。これを重視するなら、iDeCoではなく国民年金基金を使うという選択肢もあろう。

 もっとも、国民年金基金に加入すると国民年金の付加保険料を納付することができなくなる。付加保険料の支払いは非常にお得な制度なので、これが使えなくなることを避けるためには国民年金基金を使わずにiDeCo一本にする、という選択肢もある。