クルマが「車輪の付いたスマートフォン」に進化しようとする今、アップルがあれこれと可能性を模索するのは当然のことだ。まず始まったのは、内燃機関から部品がはるかに少ない電気モーターへの移行だ。この変化を受けて、将来の自動運転に向けた2番目のシフトが進行中だ。自動車は1世紀もの間、エンジンやトランスミッション、ドライブシャフト、ブレーキなどが相互に連携する機械システムだった。その進化に伴い、機械を支援する電子センサーやプロセッサーが導入された。だが基本概念が変わることはなく、その結果、相互に会話できない何十種類、何百種類もの特化したマイクロチップが搭載されるようになった。今や自動車メーカーは電気モーターに加え、精緻なエンターテインメントシステムや車間距離制御装置(ACC)に注力する時代だ。すると全てを制御する中央コンピューターが必要になる――それを使って何もかも制御すればよい。