時は遡って80年代~90年代、今で言うネオクラシックカーが最新モデルとして走っていた時代だ。トレンディドラマやファッション誌に“ガイシャ”が溢れ、いつか手に入れたいと思っていた若者も多かった。しかし、値段も高くなかなか手に入れることは難しかったため、憧れで終わった人も多かったことであろう。それから数十年、憧れていた車に数十年越しの魅力を感じている、40代50代となった当時の“若者たち”に時間とお金の余裕が生まれた。さらに、当時のクルマたちが中古で手の届きやすい価格になったということもあり、現在、旧いクルマの人気が高まっているのだ。

 そんな事情もあってか、近年ではレストアやレストモッドなどを取り扱う専門ショップが増えてきている。オリジナルを尊重する老舗ショップから、海外の派手なカスタムを再現するショップまで、そのジャンルも様々だ。なかには日本の法律に合わせて、クラシック ミニを軽規格に改造しているショップなどもあるほど。

 ただ、人気が上がるにつれて、この世代のクルマは市場価格が全体的に上昇傾向となっている。スポーツモデルやオープンモデルはその傾向がさらに強く、その理由としては現在の厳しい安全基準や環境基準では、昔ほど個性の強いクルマを作れなくなってしまい、これにより旧いクルマを求める者が増え、そのため良物件のタマ数が減った。需要と供給のバランスによって価格は上昇した、数年前までの相場と比べ、2~3倍値が上がっているクルマも多いのが現実だ。

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主催者テーマ展示「マツダ、ルマン優勝までの軌跡」のマツダ 787B。マツダの技術の結晶であるロータリーエンジンを搭載している。確実なパフォーマンスと信頼性の高さで、日本車初のルマン優勝を飾った歴史的1台だ主催者テーマ展示「マツダ、ルマン優勝までの軌跡」のマツダ 787B。マツダの技術の結晶であるロータリーエンジンを搭載している。確実なパフォーマンスと信頼性の高さで、日本車初のルマン優勝を飾った歴史的1台だ
主催者テーマ展示「時代を進めたラリーカーの戦闘美」に飾られたランチア ストラトス。車幅1700mmに全長3700mmという変わった車体は非常に印象的。これにより驚異的な旋回性能を実現したが、ドライバーからは「コースがすべてカーブなら良いのに」と言われるほど扱いが難しく、恐れられていたという主催者テーマ展示「時代を進めたラリーカーの戦闘美」に飾られたランチア ストラトス。車幅1700mmに全長3700mmという変わった車体は非常に印象的。これにより驚異的な旋回性能を実現したが、ドライバーからは「コースがすべてカーブなら良いのに」と言われるほど扱いが難しく、恐れられていたという
主催者テーマ展示のランチア 037ラリー。80年代当時、ラリーでは4WDを搭載するマシンが圧倒的走破性で猛威を振るっていた。037ラリーは2WDでありながら、当時最強を謳われたアウディ クワトロに勝利したことで伝説のモデルに。「最後にラリーで優勝した2WD車」と呼ばれた主催者テーマ展示のランチア 037ラリー。80年代当時、ラリーでは4WDを搭載するマシンが圧倒的走破性で猛威を振るっていた。037ラリーは2WDでありながら、当時最強を謳われたアウディ クワトロに勝利したことで伝説のモデルに。「最後にラリーで優勝した2WD車」と呼ばれた