過熱の兆候が広がる
米国金融市場
米国金融市場で、過熱の兆候が多く見られるようになってきた。
年初には、個人投資家がSNS上で結託して株価を押し上げるゲームストップ問題が注目された。
その後も、個人投資家が主導するSPAC(特別買収目的会社)の株価高騰、仮想通貨(暗号資産)ビットコインの価格乱高下、デジタル資産のNFT(非代替性トークン)ブームなどが続いた。
3月には、ファミリーオフィス(資産家一族の資産運用を目的に設立された組織)の巨額損失問題も起きている。
高リスク資産への投資の主役になっているノンバンクへの規制強化の動きが世界的にも広がるが、それだけで十分なのか、緩和マネーの大本での対応が必要な時だ。
高騰が続く高リスク資産
保有の主役はノンバンク
金融市場のリスクについて、FRB(米連邦準備制度理事会)も、5月6日に公表した金融安定性報告(FSR)の中で、資産価格の割高や過熱に警鐘を鳴らしている。
ハイイールド債やBBB格社債と財務省証券との間の金利スプレッドは、リーマンショック前の水準に並ぶ歴史的低水準にあり、S&P500株価指数のPER(株価収益率)は、足元で23倍程度と、2000年以来の高い水準だ。