劣化して久しい円建て貯蓄性商品に代わり、生命保険各社が販売に注力してきた外貨建て保険と、にわかに人気が上昇する変額保険。商品を選ぶ前にそのリスクを知ることが何より重要だ。特集『保険商品ランキング ベスト&ワースト』(全9回)の#5では、保険のプロ24人が厳しい目で選出した外貨建て保険&変額保険のランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
外貨建て保険と変額保険は
総じて魅力に乏しい
異次元の金融緩和による金利の低下で円建ての貯蓄性保険商品が魅力を失う中、人気を集めた商品は相対的に利回りの良い米ドルや豪ドルなどで運用する外貨建て保険だ。
だが、その陰で、為替変動リスクを十分認識しないまま損を出した契約者が続出したことで金融庁が昨年、規制強化に乗り出した。さらに、コロナ禍によって頼みの米国の長期金利も急降下。「コストも考慮すれば、今や外貨建て保険に加入するメリットはない」という保険のプロの共通意見は知っておくべきだ。
一方、この外貨建て保険に取って代わるように売れているのが、変額保険である。変額保険は、保険料を株式や債券などで運用することで、その実績に応じて保険金や解約返戻金の額が変動する保険商品だ。投資商品と異なる点は、あくまで保険であるため、運用成果とは無関係に死亡保障が付いてくることにある。
一見すれば保障と資産形成を両立できる一石二鳥の商品に思えるが、保険のプロの多くは「保障と資産運用は個別に考えるべきで、全般的にお薦めしない」と、こちらに対しても手厳しい。長期の資産形成を第一に考えれば、税制優遇やコストの面でiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAを活用した方が有利となるからだ。
こうした意見を踏まえた上で、あえて外貨建て保険や変額保険を選ぶならば、どの商品がより有利なのか、商品ランキングを見てみよう。