型にはまった面接では
個人の持ち味や素顔は見えにくい

 同社の採用モットーは「とことん人物を見る、寄りそう」。そのため、様々な工夫をしている。例えば面接ではコミュニケーションの敷居を下げるため、学生には自由な服装で参加してもらう。また学生を名字で呼ばず、ふだんの呼び名(愛称)を聞き出して呼びかけている。

「少しでも学生さんにリラックスしてもらうことで、その人の持ち味、素顔を見ることができます。単なる面接ではなく、より良い関係性をつくりたいと考えています」

 一次面接を終えると人事担当者と1対1の面談に進む。ここでは、直接合否につながる話ではなく、就活に関する不安を解消したり、就活全般やその人の人生、未来についての会話もある。

「弊社の理念や経営方針を十分納得した上で入社してほしいと考えています。ですから面談ではとことん学生さんに寄り添い、経験や考え方を掘り下げて聞きます。一人の人間としての対話を重要視していますので、かなり時間をかけます。学生さんからは、自分の気持ちが整理できて良かった、一人では気づくことができなかったのでありがたかった。こんな感想をいただいています」

 こういった丁寧な面談に感激する学生は少なくない。入社に至らなかった学生からも御礼のメールや手紙が送られてくることがよくあるという。