元谷外志雄・アパグループ代表 Photo by Masato Kato元谷外志雄・アパグループ代表 Photo by Masato Kato

ホテル各社がコロナ禍で軒並み、赤字決算を出す中、2020年11月期決算は黒字を確保したアパグループ。なぜ新築ホテルの開業を続けるのか。テレビCMを大量に投下した安値キャンペーンに効果はあるのか。創業50年を迎えたグループの元谷外志雄代表を直撃した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

新築ホテルを爆増中!
シェア拡大のチャンス

――(応接室に展示してあった、創業50周年を記念した見開きの巨大新聞広告を見て)なんか…すごいですね!

 すごいでしょ。世界に665ホテル、10万2708室ありますから(編集部注:提携ホテルやフランチャイズを含む全ネットワーク。5月10日時点)。

――コロナ禍でも新しくホテルをオープンしたり、建設中のものもたくさんあったりしますが、そんなにお金を投じて大丈夫なんですか。

 そうやね、今は特に大阪で大型ホテルを建てています。うちはホテルに対して、30年とか50年とか、長い期間をかけて投資回収する考え方。資金調達と利回りを考えながら、全額回収するプロジェクトとしてやっています。

 その間、いろんな景気変動はありますよ。だけど、今この超低金利時代に、金を借りて資産をたくさん造る方が格段にメリットがある。よっぽど下手にやっても、5%の利益が出る。うまくやれば20%も出ますよ。一方で、借入金利は0.5%、10分の1以下。

 他社も、うちみたいなやり方をしたいでしょう。問題は、金利が安ければ安いほど、引き締めが厳しい。誰でも貸してもらえるわけじゃなく、貸し倒れリスクがゼロに近い会社には「どんどん使ってください」と銀行は言って、一方、ちょっとでもリスクがある会社には「1円も出せません」と。極端になってきていますね。

――アパは(コロナ禍になる前は)利益率が非常に高かった。貸し倒れリスクが低いから、今でも融資で有利だと?

 うちは0.5%アンダー(未満)の金利で借りられるんです。いつもコンペティションを開いて、銀行3~4行が参加して、より金利の安い銀行から借ります。メガバンクが「アパさんに貸したい」と言ってくる。

 例えばこの間は、西日本最大級の「大阪梅田駅タワー」(注:地上34階建て、2023年開業予定)の競争(コンペ)をして。非常に低金利で借りられて、ありがたいです。

――ズバリ、何%で借りられたのですか。