不動産の呪縛#3Photo by Kosuke Oneda

素泊まり1泊2500円。新型コロナウイルスの感染拡大でホテル業界が苦しむ中、アパホテルは激安キャンペーンに打って出た。それでも「赤字にはならない」と元谷外志雄・アパグループ代表は言う。特集『不動産の呪縛』#3では、非常時の2020年も黒字を確保するカラクリに迫った。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

ホテル投資の勝負の分かれ目は
客室平均単価と稼働率

「今年は厳しい年。しかし、今の目標は黒字。50億円くらいの(経常)利益を出したい」

 新型コロナウイルスの感染拡大によりホテル業界は壊滅的な打撃を受けた。それでもホテル大手、アパグループの元谷外志雄代表は、ダイヤモンド編集部のインタビューにおいて今期黒字を目指すと語った。

 同グループは創業50年目の記念企画として、創業日である5月10日から6月30日までの期間限定で「新型コロナウイルスに負けるなキャンペーン」を展開。アパホテル全店で素泊まり1泊1室2500円~(税込み)という破格の料金で、アパホテル公式サイトとアパアプリ(アパ直)限定で売り出した。

 新型コロナで宿泊客が激減したから苦し紛れに損切りしてでも格安販売したと捉えてしまうところだが、元谷代表によると、アパでは2500円にしても「赤字ではない」という。6月までのキャンペーンが終わると、第2弾として8月7日から9月30日にかけて、Go Toトラベルキャンペーンの対象外だった東京都内のアパホテル全店で、素泊まり1泊1室3500円~(税込み)というアパ直限定価格を打ち出した。

 なぜ、この低価格で黒字にできるのか。いったいどんなカラクリがあるのか。