なんと、課長に対しては41%の企業が「財務3表の理解」より高度な「ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)など財務3表上の数値を組み合わせた指標」の理解を求めているのだ。「売上高と利益」の理解だけでよい、とする企業は一気に5%にまで激減している。

 そして、部長にもなれば、最も高度な回答である「ファイナンスの概念や投資の評価方法」を54%の企業が求め、役員ならそれが84%にも高まる。この回答を選ぶ場合は「財務3表」と「ROEやROAなど財務3表上の数値を組み合わせた指標の理解が前提」と設問には表記したから、部長や役員は決算書、財務の達人レベルを求められているということになるのだ。

 この企業側の姿勢は当然といえば当然だろう。売上高さえ拡大すれば利益は後からついてくるなどという時代は、とっくの昔に終わっている。キャッシュ重視の経営は当たり前になっているし、最近では部門ごとにROEなどの目標を設定する企業もある。

 そして財務部だけが数字を理解していればよい、ということでは決してなく、財務が理解できていなければ、自分に課された目標を理解することすらできない時代なのだ。

 課長、部長になりたい。役員に上り詰めて、社長に…。出世を考えている人は、今すぐ決算書を学んだ方がよいだろう。

アンケートはダイヤモンド編集部が日本を代表する企業100社以上に送付して2018年3月に集計。回答企業は以下となる。回答企業の名称は2018年3月時点のもの。ダイヤモンド編集部への回答企業はIHI、アサヒグループHD、アルプス電気、伊藤忠商事、AGC旭硝子、SMBC日興証券、NEC、NTTドコモ、大阪ガス、オリックス、キヤノン、花王、鹿島、川崎重工業、関西電力、京セラ、キリンHD、コマツ、サントリーHD、スズキ、スリーエム ジャパン、JFEHD、東海旅客鉄道、清水建設、新日鐵住金、住友化学、住友商事、住友生命保険、西日本旅客鉄道、大成建設、大和証券グループ本社、中部電力、髙島屋、TDK、TOTO、トヨタ自動車、東レ、東京海上HD、東芝、野村HD、日本たばこ産業、日本マイクロソフト、日本マクドナルドHD、日本航空、日本通運、日本電産、日本郵船、パナソニック、東日本旅客鉄道、日立製作所、ホンダ、丸紅、みずほFG、三井化学、三井住友FG、三井住友トラスト・HD、三井不動産、三井物産、三菱UFJFG、三菱商事、三菱地所、三菱電機、明治安田生命保険、ヤマトHD、ユニー・ファミリーマートHD、楽天、LIXIL、リクルートHD、りそなHD、ローソン、ローム(順不同)。*HDはホールディングス、FGはフィナンシャルグループの略