SDGsの視点で衣服廃棄の解決方法を考えていく

 翌週の授業は、「対面+オンライン」のハイフレックス方式で行われた。対面かオンライン受講のいずれかを学生自身が選択するスタイルだ。結果、青山(東京都渋谷区)のキャンパスを訪れた学生が10人、オンライン参加が3人と、前週の授業に参加した全員が1人も欠けることなく集まった。

 今回のテーマは、「暮らし(衣食住)のなかにおける社会課題の解決とSDGsの可能性について:木のストローの事例より」。

「木のストロー*8 」を世に送り出して話題となったアキュラホームSDGs推進室室長の西口彩乃さんが来校して講義を行い、西口さん自身が木のストロー開発に携わった経緯や住宅メーカー(アキュラホーム)が木のストローをつくった理由をSDGsの話とともに学生たちに披露した。

*8 2018年12月に、株式会社アキュラホームとザ・キャピトルホテル東急が「Wood Straw Project (ウッドストロープロジェクト)」の発足とともに企画・開発を始めた「木材ストロー」は、その後、世界初のカンナ削りの「木のストロー」として完成し、2019年6月28日・29日に開催された「G20大阪サミット」でも採用された。

 そして、学生が「関心ある社会課題」として事前に挙げていた「衣服廃棄(アパレルロス)*9 」をグループディスカッションで取り上げ、その解決方法を3つのグループに分かれて討議した。前週との違いは、オンラインが1グループ(3人)のみで、残りの2グループはリアル(対面)だったこと。対面では、マスクを着けた学生たちがお互いの距離を気にしながら机を並べ、付箋に書いたアイデアを発表用の模造紙に貼っていった。

*9  環境省では「ファッションと環境に関する調査(調査期間2020年12月~2021年3月)」を実施した。家庭から手放される衣服の量は年間約75万トン、そのうち約50万トンがごみとして廃棄されている。ごみに出された衣服が再資源化される割合は5%程度。(環境庁 これからのファッションを持続可能に より)

「いらなくなった衣服を子どもたちに寄付したり、保育園などで『おさがり制度』をつくる」「リサイクルしやすい、環境にやさしい素材で衣服をつくる」「衣服の回収ボックスを業者と電鉄会社が連携して駅に設置する」といった多様な意見が今回も発表された。

 学生との対面でディスカッションのファシリテーターも務めた西口さんが振り返る。

「SDGsや環境への取り組みを、おしゃれ、ファッションの中で取り入れている学生さんが多く、事前課題では、暮らし(衣食住)における社会課題とその解決策をSDGsにひもづけて考えていただきました。多くの学生が自らが興味を持つ衣類に関することを考え、ディスカッションでは、『H&Mにいらなくなった服を持っていくと500円もらえる』と、ある学生さんが言うと、『知ってる~』『やってる~』といった声が上がりました。(前週に)プラごみ削減のテーマでディスカッションしたときも、『マイバッグを持ちたい』『マイカップでカフェ巡りをしたい』など、自分のファッションの一部としてSDGsの要素を取り入れているように感じました」

オンライン授業の様子2週目は、株式会社アキュラホームSDGs推進室室長の西口彩乃さんが「暮らし(衣食住)のなかにおける社会課題の解決とSDGsの可能性について:木のストローの事例より」のテーマで講義を行った。木のストローの試作品(写真右下)や西口さん執筆の書籍「木のストロー」(写真左下)に学生たちが実際に触れて理解を深めていった
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