「SDGsと関わる仕事に就きたい」という学生の存在も
テーマに沿って綿密に作られた資料をスクリーンに投影し、「木のストロー」の現物や試作品を学生の手に触れさせながら行った西口さんの講義は、前週の西村さん(遠野市役所)同様にとても分かりやすく、ひとつひとつの発言がリアリティーにあふれ、企業内でSDGsに取り組む経験が余すところなく伝えられたものだった。
アキュラホームのホームページに加え、「木のストロー」の紹介ページと報道記事を読んでおくことが事前学習だったこともあり、学生たちの関心の高さと理解の早さが見て取れ、そのことは授業後の感想からもうかがい知れた。
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「西口さんのお話でSDGs達成のプロセスが実感できました。普段の授業では知ることのできない、社会に出ている方の話を聞けて良かったです」「頭の中でぼんやりとしていたSDGsのことがクリアになりました。授業の中でグループになって、みんなで考えることの大切さも確認できました」(学生談)
2週続けてのオンライン参加となった西村さん(遠野市役所)は、グループディスカッションを通じて、Z世代*10 の価値観である “多様性や個々の重視”を学生の姿勢の中に見いだし、「SDGsの実践から、今後の社会を牽引するリーダー候補としての活躍を期待したい」と授業後の取材でコメントしてくれた。
*10 「Z世代」は、一般的に、1996年以降に生まれた者を指す。多くの者が、IT環境の整った中で育ち、パソコンやスマートフォンへの知見も多く、情報リテラシーが高い傾向にある。
また、西口さん(アキュラホーム)は、「SDGsに関わる仕事に就きたい」という学生が多数いたことにも驚きながら、「自分の興味がある分野など、身近なところからでもSDGsや環境について考えてみることが大切」と、学生たちにエールを送る。そして、ディスカッションや発表の様子から、SDGsに対する抵抗のなさを再認したという。
「SDGsや地球環境について自分がどのように取り組めるか――その意見をきちんと出すことができ、アイデアもたくさん出てきました。『環境』は1社や一人ではなく、みんなで取り組むべき課題。木のストローの背景を知ることで、SDGsにさらに興味を持ってもらえたらうれしいです」