任天堂の「神対応」と比べて見えた、米国発人気ゲームサイバー攻撃の教訓写真はイメージです Photo:123RF

7月上旬、日本でも人気のある米国発のゲームがサイバー攻撃の被害に遭っている。単なる嫌がらせと思いきや、このゲーム会社のファンであった者たちの犯行である可能性があるようだ。(フリーライター 武藤弘樹)

人気ゲームがクラッキング被害
復旧するも界隈に波紋のワケ

 7月上旬、基本プレーは無料の人気ゲーム『Apex Legends』(※以下『Apex』)がクラッキング被害を受けた。クラッキングとは、コンピューターやネットワークシステムに不正に侵入してシステムを改竄(かいざん)することなどを指す。他の報道によると、被害を受けてから1日程度で、復旧したようだ。

 そもそも、このゲームはどのようなものか解説しよう。

 『Apex』は、オンライン対戦型のファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)といい、鉄砲を撃ち合ってバトルロイヤルをするといった内容である。

 パソコンやPlayStation5および4、Nintendo Switchなど多くのプラットフォームでプレー可能となっていて、今年4月には累計プレーヤー数が1億人を超えたというほどの人気ぶりだ(参照)。女性にも人気があるようで、筆者の知り合いでゲームをライトに楽しむ女性もやっている。筆者もやってみたが、これがまあ面白くて、数年間どっぷりハマっていた『スプラトゥーン』をついに卒業して、最近はメインがこちらに移行しつつある。

 プレーヤーは使用キャラクターを選択して戦場に向かうのだが、これが格闘ゲームのような趣で、それぞれ性格と技に個性がある。セリフの数々はこの上なくハードボイルドで、“大人向け中二設定”といってよく、極端すぎて笑ってしまう部分もあるのだが、世界観にハマるにつれて何かセリフを聞くたびに思わず「かっけえー!」と叫んでしまう、そんなゲームである。

 さて、その『Apex』がクラッキングの標的となったわけだが、これがただの無目的な犯行ではなく、どうやら一部の過激なユーザーが関与しているらしいというのが大方の推測であり、その流れが興味深かったので、まずはあらましを紹介したい。