「15分リセット」でリバウンドを防ぐ
――でも、完璧に片づけたはずなのに、気づいたら散らかっているというケースが多い気がするんですけど?
石阪:そうですよね。そこで生活して、活動しているわけですから、いくら片づけても散らかるのはある意味当然です。忙しくて、使ったモノをすぐに戻せないこともありますよね。だからこそ、「リセット」が大切になってくるんです。リバウンドを防ぐためには欠かせません。
リセットというのは、モノをあるべき場所に戻すことです。作業台に出しっ放しの鍋や、洗いっぱなしの食器類、机に置いたプリントなどを、すべてあるべき場所に戻して片づいた状態に整えます。時間は15分間が目安です。
――どうして15分なんですか?
石阪:1日の中で、使ったモノを15分以内ぐらいで戻すことができれば、それはモノが多すぎなくて、しまいやすいということです。もし、リセットに1時間かかるということであれば、モノが多すぎてしまいにくくなっている証です。モノをもう一度厳選する必要があります。
あと、時間を意識することも大切なんですよ。時間も、スペースと同じように「枠」があります。人生という枠です。必ず限りがあるので、その枠の中でできることをしないといけない。世間的には、ゆっくり丁寧に暮らすのが素敵みたいに言われてますけど、時間の枠を意識すると手際もよくなるので、自分の時間が増えます。だから15分リセットはとても大切です。
片づけられない人も、諦めなければ必ず変われる!
――やり遂げる秘訣はありますか?
石阪:やり遂げたい気持ちがあれば、トライアンドエラーで挑みましょう。まずは行動することですね。片づかないのは、枠に対してモノが多いことだけなので。今から勉強して宇宙飛行士になるのは難しいかもしれないけど、片づけは絶対にできるんですよ。
――片づけられない人も、片づけられる人に変われるんですね?
石阪:変わります。理想の暮らしのイメージをしっかり持ち、メソッドに沿って動いてみてください。手を動かしているうちに、片づけられる人になれるんですよ。
先ほども例に出した、NHKの『あさイチ』の片づけ特集に出てくれた真希子さんも、片づけを通してすごく変わられました。
散らかっていた頃は、モノであふれたキッチンで、料理をするのも時間がかかり、自分が悪いんだと苦しんでらっしゃいましたけど、片づけた後は、朝、手作りのパンを焼いて優雅にご家族で朝食を楽しまれたり、趣味の裁縫の時間もたっぷり取れるようになったそうです。
私自身も、昔は中途半端に散らかっている人だったんです。そこまで散らかってないから、友達が来たらモノを突っ込んで、なんとかなってたんです。だからこそずるずるリバウンドを繰り返していたんですよ。ところが、とても仕事が忙しくて、家が散らかっている時、疲れ果てて朝寝坊をしたんです。あわてて息子を学校に送り出した直後に、息子は交通事故に遭いました。そのことがきっかけで、忙しくても常に散らからない家にしなければ!と思い自分の家を一気に片づけました。
皆さんそれぞれに、片づけをしたい強い動機があると思います。
ご家族と仲良く過ごしたいとか、ストレスのない空間に身をおいて健康的な生活をおくりたいとか、自分の後ろめたい気持ちをなくしたいという方もいらっしゃいます。
まずは、マインドのスイッチをいれ、理想の暮らしをイメージする。そして本気で取り組む。大丈夫、絶対に片づきます!
拡大画像表示
【大好評連載】
第1回 1000人以上を見て分かった「片づけられない人」の共通点
第2回 いったいどこまで捨てれば家は片づくのか
片づけアドバイザー 宅地建物取引士 JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー
大阪で夫と不動産会社を起業、夢のマイホームを手に入れても片づかないことで理想の暮らしができないと諦めている多くの人に出会う。自分にできることはないかと女性目線での建築設計、引っ越し後のアフターフォローとして家の片づけを提案。独自のメソッドは、一度やれば絶対にリバウンドしないのが特徴で、これまで様々な片づけ方法を試してきた人たちの「最後の駆け込み寺」となっている。同メソッドで片づけに成功した人は1000人を超える。