片づけられない人たちの“最後の駆け込み寺”として有名なカリスマ片づけアドバイザー・石阪京子先生の最新刊『一回やれば、一生散らからない「3日片づけ」プログラム これが最後の片づけ!』が、発売から2ヵ月で3刷となり、売れています。在宅ワーク化が進んだり、災害対策の備蓄も必要だということが分かったwithコロナ時代。捨てるだけの片づけ術では対応しきれなくなった新時代の片づけ術とは? 絶対リバウンドしないための収納方法や家事のやり方とは? この連載では、本書の一部を抜粋しながら、石阪メソッドをご紹介します。

1000軒以上の家を見て分かった「片づかない家」の共通点とは?Photo: Adobe Stock

人生の不具合は「寝る場所」が影響していることが多い

 私はこれまでに、数多くの「どうしても片づけられない」とおっしゃる生徒さんの家を見てきましたが、片づかない家には共通点があります。

 片づかない家の大半は、ベッドを使わず、布団を敷いて寝ているケースが多いのです。片づけレッスンに来られる生徒さんの9割は、布団派と言っていいでしょう。

 ライフスタイルが、着物から洋服にかわるにつれ、家の収納も、押入れではなくクローゼットに変化しました。押入れがなければ布団をしまうスペースはありませんので、和室のないマンションというのは、そもそも布団を敷いて寝る設計にはなっていません。

 仮に押入れがあったとしても、布団を入れると、防災用品、季節の家電やキャンプ用品、節句飾りや衣類などの収納場所がなくなりモノがあふれてしまいます。

それらが出しっぱなしになっているよりは、布団が出しっぱなしのほうがマシと考え、日中は万年床か、布団をパタンと半分に折り曲げている状態になります。そうすると、掃除は行き届かず、布団を踏んでも多少の汚れは気にならなくなり、その心理は他の部屋にも伝染していきます。

 私はこれまで1000軒以上の片づかない家を見てきましたが、人生の色々な不具合は、「寝る場所」が影響していると言っても過言ではないと思っています。

 寝室は一日の疲れを癒す場所ですが、埃や湿気、モノがあふれた中での質の悪い睡眠で、いつもだるい、疲れがとれないという方が、散らかった家にはとても多いです。

引っ越しせずに床面積を増やす方法は?

 最近も、私の生徒さんから相談を受けました。

その方は、東京の都心に家族5人でお住まいです。とても便利な立地条件なのですが、田舎に比べればかなりコンパクトなお住まいです。

 そこで、収納スペースを確保するためにも「布団をやめて収納付きのベッドにしてはいかがですか?」とご提案していたのですが、旦那様がどうしてもイヤだとおっしゃいました。

 布団を入れんがために、貴重なスペースを大量に奪われるのは、大変もったいないのですが、旦那様の譲れないこだわりとのこと。

 たしかに、日本には布団を敷いて寝る文化がありますし、私たちの親世代は、みんな布団で寝ていました。だから、それが当たり前になっているのかもしれません。それに、お金を出して、ベッドを買うということも、新しい生活習慣を取り入れることも大変勇気のいることです。

 これも、散らかっている家に共通して言えることなのですが、片づけに苦手意識のある方は、100均の者はいくらでも変えるのに、大きい家具は、必要であっても買うのを躊躇してしまいがちです。

 部屋には、行き当たりばったりで買った安価なスチールラックや小さなカラーボックス、引き出し収納がたくさん置かれ、床面積を狭くしてしまっているおうちは大変多いのです。