石阪メソッドが絶対にリバウンドしない理由とは?
――本の冒頭に載っていたbefore、afterの写真には驚きました。しかも3年たってもリバウンドしていないと。どうして石阪さんのメソッドだとリバウンドしないのでしょうか。
石阪:最大のポイントは、一軒まるごと片づけ切ることです。そうすると、散らかった部屋には戻りたくないっていう気持ちが大きくなるんですよね。もうしんどかったあの頃には戻りたくないと皆さんおっしゃいますよ。
――一軒まるごと片づけ切るためには、取り組み方も大切になってくると思うのですが、ポイントはありますか?
石阪:片づける順番が大切です。まずは家族会議をおこない、片づけをする目的を共有しましょう。そして、個人の部屋のバックヤードから全出しをして、モノと向き合っていきます。
――バックヤード、つまり収納スペースのモノを全部出すということですよね? でも、大体わかると思うんですよ、何が入っているか。どうしても全出ししないとダメですか?
石阪:わかっているつもりでも、出してみると「こんなに色々なモノがたくさんあったのか」と皆さん驚かれます。また、全出しすることで収納スペースの枠を仕切り直すことができますので、要らないモノを間引くより効率良く厳選も収納も進んでいきますよ。
――わかるんですけど、全部出すのはすごく大変そうです……。
石阪:全出しのいいところは、その大変さにもあるんです。
一度出してしまったモノは、処分するか戻すかしかありません。戻すためには、収納場所を確保しなければいけません。
そうすると、「使っていないモノは手放したほうが楽だな」と意識が少しずつ変わり、優先順位の低いモノは手放せるようになっていくんです。
――そうなんですね。そうすると、本に書いてあったように3日間で家一軒が片づく?
石阪:はい。本で説明した通りに片づけていったら3日間で片づきます。でも、仕事の関係で連続して時間をとれないとか、家族が協力してくれないとか、3日間では明らかに終わりそうにない時もあると思います。そういう場合は、3日で終えようとしなくていいから、毎日やる。それは、考える時間だけでもいいんですよ。手を動かさなくても、家の写真を見ながら要不要を考えたり、明日・明後日やることを計画したり。
スペースの責任者がいないと散らかってしまう
――本に書かれていた「パブリックとプライベートのスペースを分ける」というのは目からウロコでした。一般的には、個人のモノがパブリックスペースであるリビングにあったり、親の洋服が子ども部屋に押し込まれたりしていて、スペースが分かれていないことが多いですよね。
石阪:そうですね。やっぱりそれだと責任者がいないので散らかってしまうんですよね。パブリックとプライベートのスペースを分けることで、個人の部屋には責任者が生まれます。だから、自分の部屋は責任を持って自分で片づけられるようになるんです。そうじゃないと、家全体を親が全て管理となるので手が回らないですよね。
――たしかに、家中の出しっ放しのモノを一人で元に戻すのは大変です。
石阪:パブリックとプライベートのスペースがわかれていないと、リビングに個人のモノが色々集まってくるので、戻すのが追い付かなくなるんですよね。でも、「個人のモノは個人の部屋へ」を徹底すれば、それぞれの責任者が戻すことになるので、すごくラクになります。
NHKの「あさイチ」の片づけ特集に出てくださった真希子さんも、スペースをきっちり分けたおかげで、2ヵ月経ってもリバウンドしていないんですよ。