ためしに診断を受けてみる
鬼が出るか蛇が出るか

 まず、“診断メーカー”とは、端的に言って面白い診断をお手軽に作成できるサイトである。

 そしてあるユーザーが作った診断を、不特定多数の人が受診して面白がる、というものである。診断結果の作成はおそらくAIのようなものが行っていて(莫大な作業量なのでまさか人力ではなかろう)、診断を受けた人はその結果をSNSでシェアできる。つまり格別に面白い診断はバズって、Twitterのトレンドに入るのである。

 早速筆者もその面白診断を、とりあえず受診してみたく思う。実際に体験してみることで単なる知識であったものを血肉へと昇華させられる。これがただの通り一遍の知識であったなら、「お父さん、診断メーカーって知ってる?」と娘に聞かれ、「お父さん、血糖値が高かったから食生活気をつけなきゃ。ハハハ」などと知ったかぶりをして娘に「やはりお父さんはダメだ」と烙印(らくいん)を押されてしまうリスクが残る。そうした悲劇の可能性は根絶すべきである。

 7月15日21時過ぎ時点で、今一番人気があるのが「あなたがアップデートされました」という診断らしい。では受診する。

「診断したい名前を入れて下さい」と出たので、初めてのことでどこかおそろしく感じられるが、ここは勇ましく潔く、“武藤弘樹”と本名で勝負してみよう。名前が入力出来たら「診断する」を選択して、診断完了である。

 出てきたので、ひとまず結果をシェアしたい。天下のダイヤモンド・オンラインでかような、まんまSNSのようなことをしていていいのかという気もするが、これは一種の潜入取材でもあるので、許されるであろう。

診断結果<武藤弘樹>
アップデート内容
・体重を上方修正しました
・コミュ力を下方修正しました
・酒豪の機能を追加しました
・新アイテム「恋人」を追加しました
・その他の細かい不具合の修正

 なるほどなるほど。診断メーカーがどのように遊ばれているかがなんとなく把握できた。この診断結果をTwitterで、「妻子持ちなのに恋人はまずいだろー!笑」などの文言を添えて投稿すれば、おそらく十全に診断メーカーを遊べているということである。

 この診断は、どうやら診断をさかんに作成する“診断作成師”のような人がいて、バズることを目標に日夜診断作りに励んでいるようである。

 趣味の俳句をどこかに投稿する人や、ラジオのはがき職人のようなものであろうか。SNSが誕生して承認欲求を満たすことのできる間口が広がった。診断作成師は新時代の申し子と言えるかもしれない。