運用利回りがどうなるかはやってみなければわかりませんが、はじめからこれだけの利息が約束されているともいえますよね。この超低金利の時代、定期預金でもメガバンクで0.002%とスズメの涙のような利息ですから、事実上5%から20%超の金利が付くというのは大きいですね。

 さらに、運用で得た収益が非課税というメリットもあります。通常の金融商品であれば、定期預金でも投資信託でも、その約20%が税金として差し引かれます(令和19年までは復興特別所得税が加算されて20.315%)。その点、iDeCoの場合は、運用で獲得した利益はすべて非課税です。

――iDeCoには誰でも入れるんですか?

 いくつか加入できないケースがあります。60歳以上の方、海外在住者、国民年金保険料を払っていない方、農業者年金に加入している方はiDeCoを利用できません。企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入している企業に勤務するサラリーマンは、企業がiDeCoへの加入を認めていなければNGなので要注意です。

――ちょっと確認ですが、60歳になるまでは受け取れないんですか?

 はい、そうです。それがiDeCoの唯一ともいえるデメリットです。特別な事情がない限り、中途解約ができません。だから、余裕資金で行うべきであって、60歳前の急な出費にも備えるなら、別途それを確保した上で、iDeCoを行うのがいいでしょうね。

 また、最初は少なめの掛金で始めて、所得がアップして余裕資金が多くなったら、上限額の範囲の中で掛金を増やしていく、ということもできます。最初はリスクの低い商品で試してみて、自信がついたら高リスク商品に切り替えることもできるので、やり方はいろいろあると思います。

――あ、そういう始め方もありなんですね。

 そうです。あと、手数料がかかることをお伝えし忘れていました。iDeCoは加入手数料や口座管理手数料、投資信託の信託報酬などの手数料がかかります。だいたい年間のランニングコストは2000~7000円程度といったところです。それでも節税効果だけでも確実に手数料分は相殺できますけどね。投資商品のラインナップも手数料も金融機関によって異なります。比較サイトもありますから、専用口座を作って始める前に、チェックしておくといいですよ。