「ふるさと納税」のお得な正体とは?

 節税といえば、近年「ふるさと納税」も話題です。ふるさと納税ってやったことありますか?

――いいえ、まだないです。

 では、概要から説明しますね。「ふるさと納税」という上手なネーミングのせいで、自分の好きな自治体に納税できる制度と認識している人が多いようです。実態としてはたしかにそうなのですが、税金の流れに目を向けると、ちょっと違う姿になってきます。

 その正体は、「都道府県・市区町村に対する寄付金」と「寄付金の所得控除」と「個人住民税の税額控除」から成り立っています。

――「税額控除」ってなんでしたっけ?

 税金を計算する前の所得から控除する(差し引く)のが「所得控除」で、税金そのものから控除するのが「税額控除」。「所得控除」は控除をした後の課税所得に税率を掛けることになるので、所得控除の額がそのまま税金から引かれるわけではありません。

 一方、税額控除は、税率を掛けて算出された税金から控除が適用されるので、控除額がそのまま安くなるというメリットがあります。減税効果としては、「所得控除」より「税額控除」のほうが大きいといえます。

――ふるさと納税は、個人住民税に関しては「税額控除」なのですね。

 そうです。ふるさと納税は、自治体に寄付をするところから始まります。現在は、ふるさと納税のポータルサイトがいくつか存在し、その機能を使って寄付をしている人が多いでしょう。

 ちなみに、ふるさと納税には、確定申告をしなくていいワンストップ特例という制度が用意されています。寄付先の自治体は5カ所までという条件は付きますが、書類を寄付した自治体に郵送するだけで、納税者の市区町村と直接やりとりをして、個人住民税の税額控除を勝手にやってくれます。