裸の付き合いの醍醐味を味わえる「大人の社交場」

 日本では風呂に1時間以上入れば長風呂といわれるが、ロシアのバーニャでは2~3時間、それ以上の滞在も当たり前である。浴室に入って、その後水風呂やプールにつかり、少し落ち着いたところで、一度外に出て休憩室でリラックスする。さらに食事をしたりお茶を飲んだりして、しばらくしたらまたバーニャに戻る。このサイクルを3回ほど繰り返す。まさに“裸の付き合い”の醍醐味(だいごみ)を味わえる、ロシアならではの体験といえよう。

サウナブームで注目、フィンランドの次にくるロシア「バーニャ」の楽しみ方モスクワの高級サウナ、サンドゥニ Photo by Yuki Tokunaga
サウナブームで注目、フィンランドの次にくるロシア「バーニャ」の楽しみ方最高級バーニャでアゼルバイジャン人の友人と楽しむ筆者。まさに「裸の付き合い」 Photo by Y.T.

 日本のサウナでは自分と向かい合ってひとり静かに入るのが主流だが、ロシアのバーニャは基本的に一人で入るものではない。ロシア人にとってバーニャの本質とは、高温の浴室で汗を流すことではなく、人と人とが交流する社交場、仲間との縁を深めるための場所なのだ。