現在、日本でロシアのバーニャ製品を輸入販売しながらバーニャ文化を紹介するバーニャジャパンの根畑陽一代表取締役社長は、「残念ながら日本ではロシアのことはあまり知られていません。そんなロシアの文化を日本に紹介するのも、自分の役割だと思っています。その一方で、バーニャは日本人を幸せにする手段だと思いますので、ロシアのバーニャを広めることだけが目的にならぬように気をつけています」と話す。

 根畑氏は、本場のバーニャを学んだ日本唯一の伝道師で、頻繁にロシアに出かけて技術を学んでいる。「日本の風土を踏まえた、日本流のバーニャ文化を作りたいと思っています。例えば、ヴィヒタに使用する植物の中には、日本にないものもあります。なので、日本で生える植物を使うなどしています」と語る。ロシアのバーニャ文化を日本に定着させるべく、日々さまざまな工夫をしているということだ。

 ロシア語で「パーリッツァ」とは、蒸気浴をする、バーニャに入るという意味の単語だ。「バーニャは蒸気を浴びせて整える」というロシア語の表現もあって、日本語の「ととのう」という表現にも親和性がある。

 日本とも、フィンランドとも異なる魅力を持つロシア式サウナ、バーニャ。2021年1月から、ロシアへのビザはオンラインで申請できるようになった。大使館での申請など煩雑な手続きが減り、これまで以上にロシアを訪問しやすくなっている。コロナ禍が明けて自由に海外に行けるようになったら、ロシアへ「パーリッツァ」しに行ってはいかがだろうか? ※2021年8月現在、観光ビザの発給は停止中