サウナブームで注目、フィンランドの次にくるロシア「バーニャ」の楽しみ方ロシア式サウナ「バーニャ」には、日本のサウナにはない魅力があるのです Photo by Yoichi Nebata

2019年頃から続く第3次サウナブーム。自粛生活が続くなかでブームに拍車がかかり、サウナ人気は右肩上がりだ。サウナ好きが増えるにつれて、昔ながらの日本式な高温ドライサウナだけでなく、フィンランド式サウナにも注目が集まっているが、実はフィンランドに負けず劣らずのサウナの本場が、ロシアである。ロシアのサウナ「バーニャ」の魅力について紹介したい。(イスラエル国立ヘブライ大学大学院・総合商社休職中社員 徳永勇樹)

「サウナ」はロシア語で「バーニャ」

「ととのう」という言葉が近年日本で、はやりつつある。サウナ用語で、サウナと水風呂と外気浴を繰り返した後に体感する独特な感覚をいうが、従来おじさんのものとされていたサウナが、健康的な趣味として若い世代の男女にも受け入れられている。さまざまな会社で「サウナ部」が設立されたり、今年3月には日経新聞主催のサウナイベント「NIKKEI INNOVATIVE SAUNA」が開催されたりと、ビジネスパーソンや会社経営者など新たにファン層が広がっている。

 日本ではサウナといえば、フィンランドをイメージする方が多いと思う。サウナストーンに水をかけて発生させる蒸気を意味する「ロウリュ」という言葉も、そもそも「サウナ」という言葉そのものがフィンランド語である。しかし、である。ロシア歴の長い筆者からすれば、ロシアのサウナ文化も、フィンランドのそれと比して負けず劣らず豊かで歴史があるものだということをぜひ知ってほしいのだ。

 ロシア語ではサウナのことを「バーニャ」(ラテン語の「水に浸かる場所」からきている)と呼ぶ。ロシアにおけるバーニャの歴史は非常に長い。少なくとも10世紀には記録が残っており、それよりも前からバーニャがあったとされる。今回は、そんなロシアにおけるバーニャ文化をご紹介したいと思う。