6割弱~9割弱と差は大きい実際の受験率

 6位には、三田国際学園(世田谷区)がランクインした。共学化、校名変更、新校地への移転・校舎新築というフルコースで生まれ変わった学校としてことに有名だが、いまでも人気を維持している。

 7位と8位には女子校が入った。受験者数で5位だった山脇学園(港区)は8位に、7位だった豊島岡女子学園(豊島区)は同じく7位に入っている。御三家に次ぐ存在としてすっかり安定している豊島岡女子学園は、複数回入試を続ける限りこの位置は安泰だろう。私立武蔵の元校長を迎えて進学校化に激しくかじを切った山脇学園は、午後入試などの成功もあってか併願先としての地位も安定しており、当面の間、この勢いは続きそうである。

 9位と10位には東京湾岸系の人気2校が並んだ。9位青稜(品川区)は受験者数でも同じ順位だったが、併願しやすい立地である。10位かえつ有明(江東区)は人気のタワマンエリアを背景に中学受験ブームが続いており、両校ともに前年より1割以上志願者を増やしているところに、その勢いが見てとれる。

 ランキング中、共学校は6校あるが、そのいずれもが元女子校が共学化したリニューアル校であることにも注目しておきたい。時代のニーズに合わせて改革を進めていけば、このように受験生の支持を得ることができる。

 最後に、志願者数と受験者数の関係について見ておきたい。次ページの図2は志願者数(出願者数)と、そのうちのどのくらいが実際に受験したのかその割合を示している。上位10校を見ても、6割弱から9割弱まで幅広い。併願先選びという観点からも、こうした実態をとらえておくといいだろう。