怒りを吐き出すなどして解消することができれば、まもなくこの変化は平常に戻るでしょうが、怒りをまったく解消できないまま無理に抑え込んでしまえば、血管、脳、心臓に負担のかかる状態を長引かせることになります。

そして、こういう体に負担のかかる状態を頻繁に繰り返していると、寿命を短くするリスクがあるというわけです。

また、怒りによってストレスが高まると、免疫機能が弱まります。それにより感染症にかかりやすくなったり、悪性腫瘍ができやすくなったりして、いつ病気になってもおかしくない状態に常に置かれるようになってしまいます。

短気で怒りっぽい人は、その都度適切に発散しておかないと、まさにこの体によくない状態を繰り返すことになるため、要注意です。

もし、怒りを抑え込もうとしたときに、手のひらがじっとりと汗ばんできたら、それは怒りを我慢することなく吐き出したほうがいい、というサインだと考えてもいいかもしれません。

このように、怒りを我慢すると体を害することは明白なので、怒りを何らかのかたちで吐き出すことをおすすめします。

自分の寿命を縮めてまで、怒りを我慢する必要はありません。

この怒りの適切な発散法は、その人の「怒りのタイプ」によって異なります。

あなたの怒りのタイプと、それに最適な発散法は、拙著『精神科医が教える 後悔しない怒り方』をご参考いただれば幸いです。