アナリストや評論家、そして投資家のほとんどは、企業の「純利益」にしか注目しない。ただ、こうした短絡的視点に囚われると、より優れた指標を見逃すことになる。強気相場の後半に入ったと思われる現在の株式市場において、質の高い成長力を秘めた「ファット」企業がどのセクターに多いのかを米著名投資家のケン・フィッシャー氏が明快に解説する。
強気相場後半の今こそ
粗利益率に注目すべき
利益、利益、利益!
アナリストや評論家、そして投資家のほとんどは、企業の純利益しか注目しない。企業発表の利益はいくらか? 利益は大手町や丸の内の金融機関の予想に達したか? 来年の利益は上がるか、下がるか? などなど。これらは良い質問かもしれない。
ただ、こうした短絡的視点に囚われた方々は、より優れた指標を見逃している。それは、 粗利益率だ。
粗利益率は投資家たちに考慮されないがゆえに、強気相場の後半、つまり現在のような状況では特に有効だ。日本の投資家は、いまこそ粗利益率を活用すべきと思われる。